~そば職人の独り言~
「柚子香×鯖寿司」
手打ち蕎麦とならぶ看板商品に
「黄金の鯖寿司」がある。
この鯖寿司には深い思い入れがある。
高校卒業後、日本料理人になりたいと
板前の世界に足を踏み入れた。
親方はとても厳しかったが、超一流の板前だった。
常に現状に満足せず、新しい味を探求し、
新しい食材や調理法に挑戦していた。
その親方が特に力を入れていたのが鯖寿司だ。
京都の代表料理である鯖寿司に真っ正面から向かい合い、
鯖だけでなく米、昆布、酢、柚子にもこだわって、
研究に研究を重ねておられた。
はじめて親方から鯖寿司を試食させてもらったときの
あの感動を、私はいまでも鮮明に覚えている。
そして「私もこの鯖寿司をつくりたい」
という想いが沸々と湧き上がってきた。
だが親方が料理の調理法をおしえることはない。
「料理はおしえるのではなく盗むものだ」
というのが親方の主義だった。
しかし私はどうしても鯖寿司のつくり方をおしえてほしくて
何度も何度もしつこく頼み込んだ。
とうとう最後には親方が根負けし、
鯖寿司のつくり方をおしえてくれたのだった。
あれから幾年が過ぎ、
親方の鯖寿司をつくれるのは私ひとりになってしまった…。
もっと多くの人に「親方の鯖寿司」を食べてほしい。
そんな想いから私はいま、ネット通販という未知の世界に挑戦している。
どうか柚子香の「黄金の鯖寿司」を食べていただき、
あの日の私と同じ感動を味わっていただきたい。
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